第1章

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 人は誰でも何らかの「習慣」というものを持っているのではないだろうか?  例えば、朝は何時に起床し、何時のバスに乗り何時の通勤電車に乗り、何時に会社に出社する、とか。そしてその途中、必ず決まったコーヒーショップで一杯のコーヒーを飲むとか。  新聞は必ずスポーツ欄から目を通すとか、帰宅途中には必ず駅前の本屋に寄ってから帰るとか。  そして、そうした「習慣」というものは、それが自分自身にとっては「当たり前」の一連の流れであり、もし何らかの理由なり事情で、そのステップのどこかが狂ったりすると、妙に落ち着かなかったり、何かしっくりいかなかったりするものである。何となく一日の生活のリズムが乱れてしまうように思うのである。  ところで、あなたがサラリーマンであれば、勤務先までどのような手段で通勤しているだろうか?一般的には最寄りの駅からの電車通勤がほとんどであろうが、車通勤をしている人もいるだろう。  車通勤…などと聞くと電車通勤で毎日「通勤ラッシュ」の地獄を味わっている人からすると、何とも羨ましく思えるかもしれないが、あながちそうとばかりは言えない。  なぜなら、通勤電車は決まったダイヤで運行されており、人身事故や突発的な故障などが発生しない限りはほぼ間違いなく決まった時間帯で運行されるから、それほど大きな時間のズレは発生しない。  しかし、車通勤の場合は、その日の道路状況に大きく左右されるし、事故でもあれば一気に大渋滞も発生するし、決まった時期になるといったい何をどうしているのかわかりにくい道路工事があったり、何故交通量が増えるのか定かではないが、いわゆる「五十日(ごとうび)」には普段に比べると交通渋滞も起こりやすい。  しかも車は自分が運転するものゆえ、絶えず注意を払っていないと大変なことにもなりかねない危険性もある。通勤電車であれば、眠くなればちょっとうとうともできるだろうが、車通勤の場合にはそんな状態になったら、それこそ事故を起こす危険性も極めて高くなる。
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