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「俺が思うに、俺やここの連中は、死と現実の境目にいるんだと思う……」
「えっ? それってどういう事?」
「だから、お前は大事故に遭った。本当なら今頃は病院で手術でもして、命をとりとめている頃だろう……きっとここの連中も皆そうだ。つまりは死んではいないが、生きてもいない、……そういう状態なんだよ」
と神祁は馬鹿な私にでも理解出来るように、きちんと説明してくれる。
でもやっぱり私には、そんな事は理解に苦しむ説明に過ぎなかった。
……だって、考えてもみてよ。
そんな事……現実にありえないんだからっ!
ってこの世界自体、現実ではないんだけど……。
「“信じられない”という顔をしているな」
神祁が見透かしたようにそう言う。
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