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「ルートは?」
とシノブが聞いてきた。なにやら俺の意見を聞くのが本題だったみたいだな。
「俺は、あちこち飛び回るつもり。
ちょっと探し物があってね」
「なるほど、みんなの意見を総合するとだな」
勝手にシノブが纏めに入る。
「シノブとその仲間達パーティ。
卒業後も、この4人で組むってのもいいんじゃない?
ほら、男女も2対2だし……」
男女比とか聞くとベルさんの笑い話を思い出してしまった。
「あんまりパーティ内で男女の比率考えたり色恋沙汰に走ると解散率が高いって冒険者の人が言ってたけど?」
これは、ひそかに両思い、なおかつともに奥手力が半端ないプラシとミッツィへの当てこすりでもある。
「あ~、なるほど。プラシとミッツィの痴話喧嘩に巻き込まれるわけなのね。
確かにモンスターを相手しているときにやられるとたまんないね」
茶化すシノブに頬を染めるミッツィ。
プラシは果敢にもシノブへ反撃に出た。
「そういう、シノブはどうなのさ?
やっぱりルートのことが好きなんじゃないの?」
シノブもかあっと赤くなる。必死で抗弁する。
「いや、だってルートには居るだろ。
あの、魔術科にいたお嬢様が。お似合いの。
あたしは、まああれだ、その、サンドバック代わりに重宝しているぐらいで……」
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