13、灯台もと暗し――つづき

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◇  改めてエントランスに入り、凪人は迷わずインターフォンを押した。もちろん、507号室のである。  少しして、『はい』と女性の声が聞こえた。 「こんにちは。謙介さんの友達の早瀬といいます。謙介さんはいらっしゃいますか?」 『……あいにく主人は外出中です』 「じゃあ、奥さんでもいいです。【裏切り者の棺】のことって言ったらわかりますか?」  プツッとインターフォンが切れた。  ……やっぱり、直球は無謀だったかな。  凪人が小さくため息を吐いたそのとき、カチャリとオートロックが外れる音がした。凪人は顔を上げ、ガラス張りの扉を押し開けた。
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