第1章

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『ムキー』猿は耐えれず、発狂した。しかし、その『ムキー』の声は街に空しくこだました。 猿は溜め息を付いた。 昼過ぎ、雑踏を歩く。文明は発達すると同時に、人々は苦しむのである。 猿でげす。市役所に行くでやんす。住民になるでやんす。猿も立派な住民になれるってことを証明するでげす。 遠ざかる駅のホーム、眠らない街角、昼過ぎは賑やかで、ガンガン音楽ならしてる車、異様に多い人達は、どこへ行くのか通り過ぎてゆく。 猿はまず異性に興味を持った。人形のような顔、甘い香り。猿は『ウキウキ』としていた。さっきのことなんか忘れていた。
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