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雪「じゃあケルビム。援護よろしく頼む」
ケル「お任せ下さい」
地面を蹴り、夏那に向かって飛ぶ。
見えない銀線に体が傷ついても関係ない。今は夏那を捕まえる事を一心に考えろ。
気を沈めろ、飛んでくる魔法、忍術には気を取られるな。全部ケルビムが対処してくれる。
体制を崩すな、目標はたった一つだ。
自分の感覚を信じろ、必ず応えてくれる。
雪「届いたぁぁぁぁ!!」
夏「そこまでは想定通り。ですが……」クイッ
ギャリリリリリリリリ!!
夏那が手を引いた瞬間、銀線が束になって氷牙を止める。
夏「考えが一歩及ばない、やはり兄さんなんですね。」
雪「ぬぐぐぐぐぐぐ!!」
ギャリリリリリリリ!!
夏「そんな力込めたって無駄なんですよ?それに、体ががら空きになってます。【炎遁・紅牡丹の術】」
雪「あぁぁあああ!!」
炎が俺を包み、体を灼く。だが、灼かれようが撃たれようが俺は手を緩めない。絶対にこの束を破ってみせる。
夏「ほらほら、如何です?魔力と忍術の相まった力は?」
雪「ぐぅぅぅぅぅうぅうううう!!」
正直、今にでもやめて逃げ出したい。でもなぁ、俺はお前にだけは、お前にだけは絶対に負けん!!
雪「らぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
ギャリリメキリリリリリメキリメキリメキメキリメキメキメキリリリリ!!!
夏「な、なんと……」
メキメキメキメキメキメキ!!
次第に、糸が軋む音の方が大きくなる。
昔、こんな事を言っていた友人がいた……
「Hey,雪風!刀ってのはなぁ、切れないのはあんまり無いらしいZE☆」
雪「あほか、五○衛門じゃあるめーしよ。」
「Huh……、どうやら知らねえみてーだな。どんな硬いもんでも、同じ所を打ち続けりゃ、必ず断ち切れるんだぜ?」
雪「ハッ!やっぱお前はル○ンの見すぎだ!」
「そんな事言うなよ~~。少し暗いDream見たっていいじゃねーかヨ!」
ルドルフ……、今だけならお前の言葉信じてやるよ……
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