祝福の日

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そんなことを言われ、 「ふふ……ありがと」 私は思わず笑ってしまった。 笑ってしまったのだけれど、 笑った拍子に 涙がこぼれて膝に落ちた。 「あれ……?」 止まらない。 涙が次々と 生まれ落ちていく。 どうして泣いているんだろう。 嬉しくて泣いているのか。 悲しくて泣いているのか、わからない。 わからないまま 私は涙を零し続けた。 大きな手が、 温かい手が、 私の左手をそっと握る。
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