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じわりとそこから
彼の優しさが
滲んでくるのがわかった。
「温人さん……」
綺麗な爪をした
男の人にしては
節のない白い手。
大好きなこの手を
そっと握り返し、
彼の横顔を見上げる。
「好きです」
あなたのことが、
好きなんです。
泣き続けながら
そう告白した私に、
温人さんは無言のまま
繋いだ私の左手を
掲げて見せてきた。
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