好きと信頼は必ずしも=とは限らない

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「言っとくけど、間宮さんが悪い男、って意味じゃないわよ。悪い男に捕まったら最悪って言っただけだからね」 気分の浮上する様子もない私に、美佳が慰め混じりにそう言って昼食を終え、二人で職場に戻った。 それからまた週末までは、日々の繰り返し。 亨は何やらまた忙しくし始めたけれど……元々、私たちは普段から連絡を取り合うようなことがなかった。 だから、受付を通り過ぎる時の様子や他人からの情報で忙しそうだなって思うだけのことで、電話が無いだとかそういう変化もない。 だって、元々無い。 木曜の夜、風呂上り。 ミネラルウォーターを飲みながらテーブルの上の携帯に目をやった。 着信を知らせるような、ライトの点滅もない。 「……フリの期間が長かったから、かなぁ」 今更、どうやって恋人らしくすればいいのかわからない。 でも何も変わらないのも、寂しい気がした。 思い切って、私からかけてみようか。 そう思い携帯画面で彼の名前を探すけれど、ゆるゆると指が画面をスライドするだけで発信には至らなかった。 多分、今までと同じなら明日。 金曜の夜、亨が暇なら、私を捕まえに来る。
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