客1 誇示畏怖表現の被害者

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 そして、今日の彼は悪い意味で一味違う。  今彼の内包しているストレスは尋常ではない。  彼の放火は、エスカレートした。  それは今まで散々炎上させた掲示板に留まらず、普段暇つぶしに覗く様な些細な個人ブログや動画サイトのコメント等、見境なく放火していった。  そんな彼の表情は、狂気の笑みに満ち満ちていた。  そんな中、彼はとある非公式なサイトに辿り着いた。  それは自分の人生を嘆き、不幸の身の上話を語らい、死ぬ勇気の持てない者達が〝共に自殺しよう〟などと公募したりする、笑えない類のサイトだ。  このサイトには流石の彼も手を出す気が起きないのか、いつもの狂気的な笑みは無く、ちょっとした興味本位で幾つかのコメントを流し読みしていた。
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