8261人が本棚に入れています
本棚に追加
/1112ページ
「えー、イトちゃん、邪魔かなぁ?俺達、邪魔?」
何で、ジローさんじゃなくて、私に聞いてくるんだろう。
ここで、はい邪魔ですってビシッと言えたらいいのに。
困ったなぁ。
またジローさんの顔をチラリ。
「邪魔に決まってんだろ。俺と美咲がいちゃいちゃできなくなる。」
・・・。いや、そこ?
そこなのか?
ずれてないか?
ずれてないのか。
何が何やら分からなくなってきた。
「えー、楽しいって。宿も3部屋とればいいだろ?で、ご飯は一緒に食べて結婚の前祝だよ、前祝。お前ら披露宴とかやらねーんだもん、俺達にも祝わせてくれって。」
ドキっとしたのは、澤田さんの祝わせてくれの言葉。
面倒だし、恥ずかしいから披露宴なんてしなくていいって思っていたけれども。
ジローさんのお友達の澤田さん達がお祝いしたいっていう気持ちまで、簡単にバッサリと切り捨ててしまっていたのかなと思うと。
少々強引ではあるけれども、一緒に遊びたいと言った気持ちに偽りはないのかなって思った。
「どーする?」
こそっとこっちを見て、聞いてくるジローさんに。
どうしたものかと思う。
「ジローさんの思うようにしてくれていいよ。」
なんか、澤田さんに言われた前祝の言葉にがっつりとショックを受けて、そう言った私とジローさんの気持ちは似ていたみたいだ。
「はぁっ。仕方ない。でも、宿は絶対に3部屋だぞ。ついでに、現地集合だからな。自分達の車で行けよ。」
ジローさんの出した結論に異論はない。
ジローさんの言葉を聞いた澤田夫婦と中山さんと美代ちゃん先輩が本当に嬉しそうにしていたから。
最初のコメントを投稿しよう!