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窓から射し込む光に、うっすらと目を開く。
…随分と長く眠っていたみたいだ。
モゾ…と身じろぎすると、俺を包み込む温かい感触がした。
背中に感じる熱が心地よい。
スウスウと背後から寝息が聴こえ、俺の心臓がトクンと鳴った。
前に回された逞しい腕にそっと触れると、胸が温かい感情で満たされる。
俺───宗野 雅臣の恋人、相楽 伊織は、
関東地区で一番規模の大きい暴走族【朱雀】の総長。
冷静沈着で、あまり感情を表に出さない彼は、俺に対してはとても優しく、そして甘い。
『…雅臣。』
低いトーンで俺を呼ぶその声は極上に甘く、
愛しそうに俺に触れる手や指は、俺に溶けそうな程の熱を与えてくれる。
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