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……だけど、もう少しだけ。
もう少しだけ……このぬくもりを自分のものだと信じていたい。
羽村の耳元で、夜空のピアスが揺れる。
俺にはその小さな光ほどの期待すら、持つことを許されないのかもしれない。
腕に力を込めて、羽村を抱きしめた。
目を閉じて、その感触に満たされていく自分を実感する。
……それでもいつか、終わりは来る。
胸に刺さるその事実を、羽村の穏やかな寝息で癒しながら……俺は眠りについた。
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