6章 後輩を知る話。

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「………じゃあ、日替わりスペシャルで。」 「かなり量多いけど、大丈夫か?」 「………普通の日替わりにする。」 「じゃあ俺はスペシャルにするかな。」 「俺が出すぞ。いろいろ世話になるからな。」 「ありがとう。ラッキー!」 銀貨を1枚券売機に入れ、券を2枚買った。かなり安いな。学費からも出ているのかもしれない。それをおばさんに渡して、少し控えめにサラダやスープ、パンをトレイに乗せ、メインの鶏の揚げ物をもらった。 「……うまそうだ。」 「そりゃ良かった。早く食おうぜ。」 普通のより1.5倍広いトレイいっぱいに食べ物を乗せた男子と席に座り、早速食べ始めた。 「それで足りるのか?」 「足りるだろ。あまり動かないだろうし。」 「うちの実技、結構ハードだって他の学校からは言われてるみたいだぞ?」 「一日中ダッシュの練習させられるよりマシだと思う。」 「次元が違った。」 淡々と会話しながら食事を平らげ、学校内を案内されながら実技をやる体育館と呼ばれる場所に着いた。地面が土でできていて、周りに観覧席がある。 「………かなり踏み固められてるな。この格好のままやるのか?」 「あぁ、そうだぞ。これ、結構伸縮性あるし、安いんだ。防御の魔法陣も描かれてるし。学生からしたら、こんなに頼れる服なんてないぞ。全員が全員、金持ちじゃないからな。」 「へぇ。でも、地面に叩きつけられたら骨折じゃすまないだろうな。」 「あぁ。よく受け身に失敗して死ぬやつもいる。それだけ魔法や戦闘が危険ってことなんだけどな。」 慣れない場所なので、怪我をしない様にストレッチをしながら授業開始を待っていると、続々と生徒がやってくる。………これ、一学年分か?かなりいるな。
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