第60章 消えたアイドル

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俺は速水社長が運転するフルスモークの黒のワゴン車の助手席に乗り込んだ。 後部座席はヤッキー達『B-DANDY』のメンバー3人が並んで座った。 速水社長が予想したレンの行き先・蒲田へと向かう。 蒲田には『早蕨一座』がいつも利用する貸しスタジオがあるらしい。 貸しスタジオがある場所は色あせた古い雑居ビルの2階。 「俺は一座の座長を辞めるつもりはない!!」 スタジオの中から聞こえるレンの声。 「やっぱり・・・ここか・・・」 速水社長がドアのノブに手を掛けて先に中に入った。 「は、速水…社長!?」 一座のメンバーが速水社長の姿に頓狂な声を上げる。 「迎えに来たぞ。レン」 「・・・」 レンはギュッと唇を噛んで悩ましげに眉間にシワを寄せていた。
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