第二章

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◇  目が覚めると、そこは星空で、星に手が届きそうな空で…… 「うそ!!」  あたしは、空にいた。  ――堕ちる!  どかっと音がしそうな衝撃と共に、あたしは落っこちた。  まあ、落ちる夢なんて、珍しくも無いか……って、思ったら、あたしの体が急に、重くなって重力を感じた。 「いてえ! 何しやがるっ!」  ――この声!! 「ひ、土方あぁ?」  思わず、叫んでいた。  よくわからないが、ああ、またここにいる。  けど、なんか違う……  そう感じたから、土方に思いつくことを話しかけた。  何か違うのだ。  総司の時は、あたし自身が総司になっていた。  総司の心とあたしの心はいつも寄り添い、ひとりの〈沖田総司〉という男だった。  今は、なんだろう……  憑依した背後霊? みたいな。  あ、背後霊にはなったこと無いから、この例えも合うてるか怪しいけど。
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