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ハルとの暮らしが始まる。
私は持って来た洋服をクローゼットに収納しながら
「やっぱり、新しいスーツを買おう。」
独り言を呟く。
「なんで、買うの?」
「え?」
ハルが腕を組んで、ドアに凭れていた。
「ヤダ!聞いてたの?」
「聞いてたのって…。あんたがブツブツ言って、洋服を片付けてるから…ずっと後ろから見てたんだけど。」
ハルがクスクス笑うから、私はムスっとして、
「…黙って見て、笑って…腹立つ。」
睨み返す。
ハルは近づいて、私の頬を撫でて
「怒るなよ。可愛いなって…見てたんだから。」
ハスキーがかった低い声で、甘い言葉を言った。
私の頬は熱を帯び、真っ赤になる。
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