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「貴様のペースでは日が暮れて明日になっても仕事が終わらんだろうが! もういい、ここでワタシが直々に監視してやるから仕事をするのだ!」
「はぁ!? あんた、教師だろう。学生たちに教えなくてもいいのかよ」
アイラは瞬間、鎮痛な表情を浮かべた。だが、すぐに決意を固めたらしく真顔に戻る。
「そうだ、確かにワタシにはかわいい生徒たちを導く義務がある。だが、貴様もまた導くべき者の一人なのだ! ワタシはそうした者たちを区別しない!」
と、まぁ、基本的にはいい人なのである。ただやり方が無茶苦茶すぎるだけで。
観念したオレは両手を上げ、
「あー! 空飛ぶ道に迷える子羊たち!」
「なにっ!? 空飛ぶ道に迷える子羊たちだと!」
「さいならっ」
アイラが向こうを向いている隙に、すたこらさっさ。自慢の足で逃走する。
「あー、待てこら貴様ーっ!」
騙されたと気づいたアイラがとてつもない速さでオレの後を追ってくる。
初めの二回は捕まってしまったが、それはこの建物の構造を理解していなかっただけだ。せっせと掃除する振りをして探索をした今のオレなら捕まるはずがない。
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