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「俺も……俺もあぁなりたい!」
「駄目だ。……市村、お前に命じる。」
これを持って日野の姉貴のところに行け。
市村は土方に渡されたものを見た。
髪に文だった。
「そして、お前がこの"緋色の狐"をまた誰かに語り継ぐんだ。」
「嫌です!俺は…副長を守る為に…」
「副長命令だ。聞けないならば士道不覚悟でお前を斬る。」
土方は刀を抜き、殺気を出して市村を睨んだ。
市村はギュッと握り締め、走り出した。
それを見た土方は呟いた。
「お前は……生きろ。」
土方はいつになく、優しげに笑った。
走る市村の目には涙が浮かんだ。
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