キスフレ2nd Vol.11

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暗い部屋の中、青白い画面に、彼の姿が浮かび上がる。 にこりと微笑む彼の顔が歪んだ。 「わるい。風呂、入ってたの?」 私に向けて放たれた台詞に、バスタオルの端を胸の前で巻きなおしていた手を止めて、しゃがみ込む。 画面から自分が消えたことを確認した。 「ご!ごめん! 慌てて出たから、なんか嫌なもの見えた?」 「いいや? 嫌なものは何一つ見てない」 「そっか」 ほっと息を吐いて、 しっかりと巻きつけたバスタオルの裾を直しながら、 PCと対面する椅子へと腰掛けた。 「目の保養はばっちりさせてもらったけどね」 クスリと、悪戯っぽく笑う彼が、ひっそりと囁く。 「....うわ...最悪」 髪の束を裸の肩に流しながら頬を膨らませた私に、 「お帰り」と彼は言う。 その言葉がくすぐったくて、 「...ただいま」というまでに、少し時間が掛かった。
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