【1】彼女は天使か、堕天使か

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雨の日は憂鬱だ。 もう3月になるというのに、今朝から降り続く雨の所為か、今日は狂ったように寒い。 吐く息は白く、土曜の夕暮れ時にも関わらず、行き交う人の姿もない。 午前中は大学に行き雑務をこなし、家に帰ってからは残った仕事を片付けていた。 一段落したところで、小腹を満たすためにコンビニに行こうと外へ出る。 予想以上の強雨と寒さに驚いて、一瞬引き返そうかとも考えた。 けれど夜まで何も食べないという訳にも行かないので、しぶしぶ家を出てきたのだった。 「寒いな……」 小さく吐き捨てた声は、儚くも雨の音に一瞬にしてかき消される。
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