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「いらっしゃいませーっ」
「お買い上げありがとうございますっ」
「こちらのSサイズですね?」
翌日開店すると、もう目まぐるしい程の忙しさだった。早朝から並んでいた人からどんどんと店に流れ込み、店内は人だらけだ。
「亜稀南さんサッカーお願いします!」
渚ちゃんがレジから叫ぶ。私は品出しを助っ人社員に任せて、レジへと入る。
「お次にお待ちのお客様。商品お預かり致します」
お客様に声をかけ、服を畳む。その繰り返し。お昼になっても誰一人お昼御飯休憩には出られず、私はお昼が来ている事も気付かなかった。
「午後からヘルプに入る梶です。よろしくお願いします」
「っ!!」
後ろからいきなり声をかけられた為、私の手は止まった。レジをうつ渚ちゃんは、「よろしくお願いします」と無表情のまま挨拶をし、またタグをレジに通し始める。
私もまた服を畳む。チラッと後ろを見たけど、そこには壁しかなかった。そして売り場に視線を移すと、臣はもう接客をしていた。
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