第1章 女友達の憂鬱

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第1章 女友達の憂鬱

そんな明久の横顔をみていると、雪のケータイが鳴った。 雪は誰からだろうと思って、ケータイを見ると思わず、ゾッとした。 相手は今日一緒に帰ろうと約束していた真由美からだった。 雪は心の中でしまったと思った。 当然、彼女は起こっているだろうし、怒り方が、すごく低いトーンで来るから だ。 雪がケータイを見ていると洋介は言った。 「ケータイ、誰から」 雪は鳴りっぱなしのケータイを覗き込みながら言う。 「ごめんね、洋介君。実は忘れていたんだけど、今日真由美と帰る約束をしてい たの、どうしよう、真由美絶対怒っている」 それを聞いた明久が言った。 「なるほど、それはすまなかった、用事がないと聞いたので誘ったのだが、すま ない」 本当なら雪が謝るところをきずかった、明久が言う。 雪はあわてて、手を振りながら答えた。 「ごめんなさい、明久君」 明久は言う。 「その電話、俺に渡してくれないかな、ちゃんと説明するから・・・・・」 雪は困った顔をした。 「でも、明久君、真由美とは面識がないよね」 ああ、と明久は言った。 シビレを切らした洋介が言う。 「宮下さん、たぶん大丈夫田と思う、明久をしんじてもらえないかな・・・・」 雪は、うん、と頷いてケータイを明久に渡した。 ケータイを受け取った、明久が電話に出る。 真由美が低いトーンの恐ろしい声で言う。 「雪、今どこにいるの」 明久は答えた。 「大変申し訳ない、俺が今日、宮下さんに洋介のお母さんが入院している病棟に 一緒に来てくれないかと頼んだんだ。 だから今、宮下さんと洋介と洋介の母親と俺と四人でいる。 俺の名前は、勇樹明久と言います。
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