第二章

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素直に言えば、気になる生産の進み具合を確認したかったからだ。それから、『海の家 マッシュ』へと遊びに行った。 「…店長。お久しぶりです…」 「こんばんわ…」 「……おぉ、リュースケじゃねーか。嬢ちゃん達も、良く来たな」 「一応、昼に来たんですけど、お忙しそうだったんで、改めました」 「なんだ。構わないのに…」 店長の言葉とは違い、一年生達の顔は沈んでいる。 「音箱の調子はどうです?」 「おぅ、バッチリだ」 「それは何よりです…」 「これから飯だ。食ってくか?」 「ありがとうございます」 「おぅ。今、シバとリアナが野菜買いに行ってる」 「ゲイルとマリカは?」 「あの二人は、浜辺を散歩してる」 研究に携わらない四人は、一年生と共にアルバイトに来ている。 そもそも、一年生孤児五人では人手が足りない事と、海で稼いで遊ばしてくれる知り合いはここしかいないので、シバ班の四人は喜んで手伝いに来ていた。 「一年。どうだ?」 「半端ないくらい忙しいッス…」 「シバさん達、マジ凄いです」 念力で、皿やらジョッキやらをヒュンヒュン飛ばしているらしい。 「まぁ、半月経てば慣れるよ…俺等もバイトさせて貰って、念力上手くなったもん」
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