先輩、さよなら。

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あっという間に昼休みになった。 授業……何やったんだっけ。 無意識に書いたらしいノートを、不思議な気持ちで眺める。 心と体は、たまに別物になってしまうらしい。 先生に見えないように、こっそりと昨日の写メを見たことは覚えてるんだけど……。 「りーりーっ、なにボーッとしてんの?あ、いつもか。ねー、購買行こーよ」 さりげなく失礼なことを言いながら、美玖が財布を持って目の前に立った。 「いつもじゃないよ……」 あたしは、ささやかな抗議をしながら、財布を持って椅子から立ち上がる。 「そーだね。いつもじゃなくて、ほとんどボーッとしてるくらいだよね。今日は何食べる?」 あんまり変わらないけど。というか、悪化したけど。 ……まぁ、いいか。 「あたし、小倉メロンパンが食べたい……」 「うん、聞くだけ無駄だったわ」 「……」
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