偶然

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偶然

俺は夢を見た。 行ったことがない城の中を歩き回っている。 長い廊下の先に綺麗な庭が見えた。 風が潮の香りを運んで体に纏わりつく。 日差しが眩しい。 そこに若草色の着物を身に着けた自分がいた。 誰かと話している。 相手の顔が眩しくて見えない。 その相手に肩を掴まれて目が覚めた。 久しぶりに同じ夢を見た。 身体中に嫌な汗をかいた。 懐かしく………… そして、寂しく………… ひと恋しくなる………… 夢……… この夢を観ると目覚めが悪い。 布団から起きるのが億劫になる。 覚醒する意識の中で今日は会社が休みだと気付く。 もう暫く眠っていよう。 だらしない朝である。
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