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「とにかく風邪で良かった…。今日は大人しくしなきゃだよ、ツッキー」 「山口は遅刻しないようにね。じゃあ」 ツッキーはふらふらと覚束無い足取りで部屋へ戻った。 「わざわざありがとね、忠くん」 「い、いえ!ほんと、心配だったんで…。朝から騒がしくてすみません…」 すると明光くんは頬をぽりぽり掻きながらへらっと笑って言う。 「俺もさ、夕べ母さんから聞いて急いでこっちに帰ってきたんだよね。風邪で心配されるような歳じゃなくてもさ、蛍はたった一人の俺の大切な弟だからね」 「はい。俺にとってもツッキーは大切な…」 掛け替えのない、愛しい…。 「……友達、ですから…」 好きな人だって、言えたらって思った。
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