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「あぃ~?さどさん、つかんされだごどあらったスが?」
(えっ?佐藤さん、痴漢されたことあるんですか?)
誰だよ!そんな不届き者は!?
つか、羨ましいじゃないか…
…って、俺は何を言ってるんだ!?
「つか、俺、佐渡じゃなくて佐藤なんだけど。」
「わがってらスよ?さどうさん?」
(わかっていますよ?佐藤さん?)
「や、もういいわ。」
苦笑いを浮かべている。
(おぇ、なんかおがしけだごど言ったべが?)
(俺、何か変な事言ったかな?)
「あぇ、んだんだ!さどさんはなすてそんたにあさまがらさわやがだったスが?」
(あ、そうそう!佐藤さんってどうしてそんなに朝から爽やかなんですか?)
「は?」
「おぇどおなずどごがら電車乗ってらすども満員だのに、こぇぐねったすが?」
(俺と同じ所から電車乗っているけど満員なのに、疲れないんですか?)
「怖い…?」
「あ~…んっと、こぇ~って…やったば、「つかぃだ」ってえばわがりますが?」
(あ~…ええと、こわい…というのは「疲れた」と言えばわかりますか?)
「ああ、疲れないかってことね?」
「んだス。」(そうです。)
「慣れ…かな。」
苦笑しながらそう笑う佐藤さんの横顔は綺麗だと思ってしまう。
「はぁ…」
「あとはどうせ混んでるなら、時間短い方がいいかと思って、通勤快速とか乗り換えてるかな。たまにだけど。」
「そんたのあらったスが!?おぇ、来たやづさ乗ったすものナ。あれかぐえぎだったべが。」
(そんなのがあるんですか!?俺、来たやつに乗っちゃったからなぁ。あれ各駅だったのかなぁ。)
俺は思わず頭を抱えた。
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