Midnightmare

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押し付けられた塊の硬さと熱さは、隔てている薄衣など存在しないかのように、はっきりと伝わってきてしまう。 警告のつもりだとしたら、もうそれだけで充分なはずだ。 ここまででやめてくれるだろうという淡い期待と、このまま突き進み、様々なものが崩壊する事への恐怖、二つの予測が、私の中で嵐のように吹き荒れる。 ガチガチと歯の根が噛み合わない私を見て、ゼロさんの瞳が一瞬、冷静さを取り戻したように見えた。 それを再び奪ってしまったのは、多分、私の心から漏れた、余計な一言だ。 「助けて……碧さん…………!」 漆黒の瞳に、瞬時に暗い炎が燃え上がった。
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