第十二話 DUEL!DUEL!DUEL!

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  「そうさ!レクリエーションはこれにて終わり!赤坂と広島がなんか同じゲームをやりこんでるって話になって、俺も興味あるからやって見せてもらってたわけだけど、いつまでも黙々とゲームやってちゃ文化祭の打ち上げになりゃあしない!わかってるわかってる、そんなことは俺もわかってますのよ。さーて、こっからは本気の本題、大本番!歌うぜえええええええ!」 マイクを握り、他の部屋から交流にやってきていた追加メンバーにも納得できるような状況説明を挟みつつ、早坂は見事に場を回しつつ、デンモクに曲を素早く入れ、叫び終わると同時にイントロが流れるという惚れ惚れするような圧倒的コミュニケーションスキルを見せつけ、気持ち良さそうに歌い出した。 室内は一気に大盛り上がり。玲緒奈がいつの間にか空気を読んで通話を切っていたことをスマホの画面で確認すると、俺は早坂と位置を交代して席に座った。その隣にはちょうど、瑞穂が座っていた。 座った拍子に肩が触れる。その触れた部分に、瑞穂側からぐぐっと力が入り、俺は少し傾いた。 「やるじゃん」 耳に息がかかるくらいの距離で、瑞穂が言った。 「お、おう……え、どれについて?」 「ふふふ、ないしょ」 この後二時間程打ち上げは続き、春よりも少し仲良くなっていたクラスは、春の球技大会の打ち上げよりも少しだけ盛り上がっていた。 俺個人としては、春よりもかなり楽しかった。
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