十四歳、とある朝

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十四歳、とある朝

誰よりも早く教室に着かねばと思っていた。 誰よりも早く家を出て、誰よりも早く教室に着いて、自分の席という小さな小さな空間だけは守らねばならない。と思っていた。 少なくとも一番乗りで教室に着いていれば、机にひどい落書きをされることはない。引き出しの中を荒らされたり教科書を隠されることもない。 帰りもそれと逆の考えで、最後まで教室に残って自分の持ち物の無事を見届けてから帰路についていた。 誰も私を守ってくれる人はいないんだから。自分の持ち物と体と心は自分で守らなければと、もう身にしみるぐらいの目に遭ってきたのに。 今日に限って寝坊してしまった。
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