序章

2/6
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
 荒々しくドアを開ける音が部屋中に響き渡った。  十畳程度の部屋は、洋風の家具がコーディネートされた優雅な造りになっている。  テーブルにソファー、暖炉にティーセット。  アンティークな書棚に家具。  そこに似付かわしくない、ぼろ絹のような男達が3人なだれ込んできた。  顔面蒼白な麻のジャケットの男に血まみれのタンクトップ男、そして、それに肩を貸すダークスーツの男である。  ダークスーツの男は足でテーブルに置かれていたティーセットを足で凪払うと、血だらけの男をテーブルに乗せた。   上半身のあちこちにナイフで斬られたような傷があるが、腹部に広がった血の染みが一番深刻な箇所だと指し示している。  脂汗がびっしり貼りついた 顔には死相が張り付いていた。 「くそったれ! 何なんだ奴は?! ジャック・ザ・リッパーの再来のつもりか」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!