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「ねぇ、健、もうすぐ講義始まるから早く行こ」
その富士山に気づかないフリをして健の服を引っ張る。
「野々」
「ん?」
「次の講義、俺出席やべーんだわ」
そんなこと知ってるよ。
だから早く行こーって。
「なので、代返ヨロです」
はー!?
ちょ、何言っちゃってんの?
今、自分でヤバいって言ったばっかじゃん。
「ちょ、健ってば!もしかして今からする気なわけ?」
スクッと立ち上がった健を引き留める。
「もちろん。ちょっくらハメてきます」
「クスッ、やっぱ健くんはそうじゃなくちゃね。じゃ、野々宮くん、健くん貰うね。僕の代返もヨ・ロ」
バチコンとウインクをかまして、佐山は健の腕を引っ張って講堂を出て行った。
な・ん・な・ん・だ・よー!
なんであいつはあんなに節操なしなんだ!
そして、佐山!
バカじゃねーのか、男のくせにニーハイなんか履きやがって!
そんなにお注射がしてほしけりゃ、そこら辺にゴロゴロ転がってるじゃねーか!
「はぁはぁ、ねぇ、きみ」
「なに!?」
誰?声かけたの?
俺今ちょっとぶちギレ入ってんだけど!
「あの二人がどこに行ったか知らない?」
「しらねーよ!」
って、何、あんた、気持ち悪いんだけど。
そこには股間を押さえてはぁはぁしちゃってる、いかにもな男が三人も立っていた。
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