01.「腰振ってる?」

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「ねぇ、健、もうすぐ講義始まるから早く行こ」 その富士山に気づかないフリをして健の服を引っ張る。 「野々」 「ん?」 「次の講義、俺出席やべーんだわ」 そんなこと知ってるよ。 だから早く行こーって。 「なので、代返ヨロです」 はー!? ちょ、何言っちゃってんの? 今、自分でヤバいって言ったばっかじゃん。 「ちょ、健ってば!もしかして今からする気なわけ?」 スクッと立ち上がった健を引き留める。 「もちろん。ちょっくらハメてきます」 「クスッ、やっぱ健くんはそうじゃなくちゃね。じゃ、野々宮くん、健くん貰うね。僕の代返もヨ・ロ」 バチコンとウインクをかまして、佐山は健の腕を引っ張って講堂を出て行った。 な・ん・な・ん・だ・よー! なんであいつはあんなに節操なしなんだ! そして、佐山! バカじゃねーのか、男のくせにニーハイなんか履きやがって! そんなにお注射がしてほしけりゃ、そこら辺にゴロゴロ転がってるじゃねーか! 「はぁはぁ、ねぇ、きみ」 「なに!?」 誰?声かけたの? 俺今ちょっとぶちギレ入ってんだけど! 「あの二人がどこに行ったか知らない?」 「しらねーよ!」 って、何、あんた、気持ち悪いんだけど。 そこには股間を押さえてはぁはぁしちゃってる、いかにもな男が三人も立っていた。
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