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しかし、真琴はそんな無遠慮な視線に構うことなく、カツカツとヒールの音を鳴らして、傍までやってきた。
そして、これ見よがしに大きな溜息を吐いた。
「何やってんですか。いい大人が揃ってみっともない」
横並びの男達へ順に呆れた眼差しを送り、釘を刺す。
「城野君も、放ってないで止めなさいよ。騒がしくて、周りの人に迷惑じゃない」
「そう言われても、面倒くさいし」
「あんたねぇ…ハアー…」
小競り合いの元凶は何食わぬ顔。
そして、真琴との息の合った雰囲気にモヤモヤ。
くそぅ…何だよぉ…
真琴に、他の男に対するような警戒心がないのが、凄く面白くない。
そんな俺のモヤモヤに全く気付くことなく、真琴はフンと鼻を鳴らして。
「バカな男達なんかに、大事な私の係長は誰も会せませんよ」
「私の係長って……まさか、真琴までそっちなの!?」
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