6.敵だらけの会社

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『仕事中はわきまえるの当然』と言っていたからそうなんだろうけど。  さりげなく触ってくる高井よりは幾分マシに見えなくもない。 ……いや、頭使ってくるから天秤にかけたところで変わらないか。 「……大丈夫。充分使えると思うわ。続けて」  季節ものじゃない商品のアイデア。採用するかどうかは別として、新入社員にはやってもらっている。  飲み込みがいいので助かる。アドバイスなんてほとんど必要ないだろう。  部下としては凄く優秀、なんだけど……。 「……俺以外の男に、隙見せないでくださいよ」  それを聞いて、書類を見ていた顔を森野君の方に向けた。  自分のデスクに戻ろうとしていたので表情はわからない。けれど、  その声は明らかに不愉快そうな感じがした。  
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