634人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
14 告白-1 #2
まさか、美加ちゃんの口から、そんなセリフが飛び出すなんて思ってもいなかった私は、ビックリして思わず足を止めた。
やっぱり、土曜日に谷田部課長と会ったとき、私の態度、相当変だったんだろうか?
さすがに、美加ちゃんも何か気が付いたのかも。
「あ、あはは……。実は、そうなんだよねー。ほら。谷田部課長はとってもいい人なんだけど、やっぱり上司だし、四六時中くっついて行動するってのは、これが思ったよりも、かなりストレスなのよー。早く課長補佐の肩書きが外れてくれないと、胃に穴があきそうなんだわ。参った、参ったよー」
って、やだ私。
何、弾丸トークしてるのよ。
これじゃ、ますます勘ぐられちゃうじゃない。
「梓センパイ……。実はあたし、谷田部課長の歓迎会の時、トイレでの、センパイと課長の会話、聞いちゃったんですよ」
ええっ!?
「あたし、いいと思いますよ。相手に家庭があったって」
「み、美加ちゃん?」
「だって、人を好きになるのに、そんなこといちいちチェックして好きになる訳じゃないですもん。たまたま好きになった人に、家庭があった。ただそれだけですよ」
そう言って、美加ちゃんは少しだけ遠い眼差しを私に向けた。
最初のコメントを投稿しよう!