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色とりどりの打ち上げ花火が夜空を彩る。
陸奥屋最後の夏祭り。
その最後の打ち上げ花火。
ぱらぱらと落ちて行く光の粒を、宮内めぐみは目を細めて見つめている。
祭りは準備をするまでが楽しい。
祭りはその始まりが楽しい。
けれど、終わりが近づくにつれて、現実に返されることへの虚しさを覚えていく。
祭りが終わって、一晩寝たら、また新しい1日が始まる。
今までとはまったく違う、新しい1日が。
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