月見酒

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爽やかな風が凪ぐ満月の夜 月明かりに照らされ一人の男が姿を現す 「やあ」 海瑞はにこりと微笑み男に声をかける 「美味しいお酒持ってきたよ。約束覚えてるかい?」 男、月華は頷く 「ああ」 海瑞はまた微笑む 月明かりに照らされた縁側に腰掛け二人は盃を酌み交わす 「中々美味いな…」 「(ニコ)私が気に入っている聖樹のある湖で精製されたものだよ」 「…そうか」 「気に入ったかい?」 「ああ…中々のものだな…」 「良かった(ニコ)」 他愛のない話に花を咲かせ二人は月見酒を堪能する 「ふぅ…君は本当にお酒強いねぇ」 「まあな…お前はもう降参か」 「これ以上は無理かな」 困ったように笑う海瑞 「もう少し強かったら君が帰るまで付き合えたんだけど…ごめんね」 「いや…美酒を飲めただけで満足だ」 海瑞はにこりと微笑む 「また持ってくるね」 「楽しみにしている」 「それじゃあ私は戻るね」 「待て」 「何だい?」 「…名前、私の名は月華だ」 「…(微笑)よろしく、月華」 「…こちらこそ」 握手を交わした二人を満月だけが見守っっていた fin
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