第1章

2/4
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
ゆっくりとボールにお水を入れていく。 1リットルくらいにはなっただろうか。 ゆっくり、飲む。 ただでさえパンパンに膨らんだお腹に、 1リットルの水は正直辛い。 だけどこれがないとできない。 午前1時。 真未はまだ起きてると思うけどパパもママも おじいちゃんもおばあちゃんも、夢の中だ。 真未は部屋の前を通ったとき、 物音一つしなかったから また絵を描いているか、 プランで友達と話してでもいるのだろう。 最後までお水を飲みきる。 よし。よくやった、私。 今日もやりますか。 階段を上る。 家の構造上、2階にあるのは 真未の部屋と私の部屋と 結婚して家を出てしまったお兄ちゃんの 部屋とトイレだけだ。 2階のトイレの中に入る。 便座を上げる。 しゃがむ。 トイレの中の水が、 黙って私を見ている。 喉に手を突っ込む。 ・・・出ない。 今日は調子が悪いのかな。 色々なスポットを指で探してみる。 あった。やっぱりここだ。 のどちんこの左。 ここが私のツボ。 ゆっくりと指を上下させる。 「うおぇっ」 先ほど食べたプリンやケーキ、チョコに ポテトチップス、バームクーヘンなどが どろどろとした形で姿を現す。 まだまだ。 食べたものを全部出し切らないと、 太るし大変だ。 喉の底で指を上へ下へと動かす。 「うぉぇっ」 「うぇぇっ」 目には涙が溜まっている。 別に泣いているのではない。 体のしくみがよくわからないけど、 これをやってると必ず涙やよだれが だらだらと出てくる。 5、6回は吐いただろうか。 そろそろトイレを流さないと 詰まってしまうかもしれない。 1度トイレを流す。 ジャーーーーー 綺麗に跡形さっぱりなくなった。 バイバイ。脂肪さん。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!