第1章

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外国人観光客の背負っているリュックサックって、 なんであんなに大きいんだろう。 男女問わず身体の3分の1ほどあるものを、 みんな楽々と背負ってるよな。 午後3時過ぎ。 蝉の五月蠅い京都駅のロータリーのベンチに座って 諸田香奈は考える。 一体なにが入ってるんだろう・・・。 目の前を外国人観光客の集団が通り過ぎていく。 背には皆同じようなリュックサック。 なんでボストンバッグじゃないんだろう・・・ タバコをふかしながら香奈は考える。 背の高い金髪の綺麗な女に見とれながら その女のリュックサックの中身を想像する。 多分関空から入ってはるかに乗ってきたコースだから 自分の国からあのまま来たんだよね。 だとしたら着替えと化粧道具は絶対入ってる。 あとデジカメも。 タバコを吸う人ならタバコとライターも入ってるし 日本製のものは油断ならんって コンドームも入ってるかもしれない・・・
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