0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
田舎町に不似合な“バン”の荒々しい音が響き渡る。
「まだ着かないのかい?」
読んでいた本を脇に置きため息まじりに眼鏡の青年は呟いた。すぐに怒りの表情を浮かべた運転手席の青年は
「急いでいるんですから急かさないでください。」
小奇麗なスーツを着こなしているが
2人共風貌から“普通の”サラリーマンではないのは明確である。
「全く嫌な仕事だよねぇ~」
眼鏡の青年は、窓から見える景色を見ながらそう呟いた。
運転手の青年は、目線を変えずに答える。
「そうですね。本当に嫌な仕事だ。報酬が出たら俺は、田舎でゆっくり暮らしたいですね。」
「え?ははは。それ死亡フラグだよ!」
「また訳のわからない事を言って・・・。」
会話を続けながらもバンは速度を増し田舎道を駆けて行く。
最初のコメントを投稿しよう!