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「なのは、怪我するんじゃないわよ?・・・太陽は・・・心配するだけ無駄ね」
酷い言い草だな・・・いやまぁ、信頼と取れなくもないが
「あのねぇ・・・助けて貰ってなんだけど、あの夜の事未だに夢にでてくんのよ!?」
そうか、もうそんなに経つのか・・・懐かしいな
「一人で懐古してんじゃないわよ!」
アリサsideー
あれ、視点変わった?
まぁいいわ
忘れもしない、忘れるワケがない
見た目は私達と変わらない年頃のこの男の、異常性の一端を見せつけられたあの日
学校の帰り道、一人になった所を誘拐された
それを偶然目撃したのが太陽だった
そこからさきはひじょうしきのオンパレードだった
対面車両と衝突しても、無傷だった
トンネルの入口にぶつかっても、走り続けた
高速に乗っても、並走してきた・・・ついでに警察に止められた
素直に停まるあたりいいひとだと思った
そしてー
銃弾の掃射をうけてなお、ムキズで佇んだ人のカタチをもった不死身の怪物を見た
弾丸より速く動ける人知を越えた瞬発力とそれに振り回されない動体視力、反射神経を見た
その中でも犯人の意識を奪うだけの技量と人のよさをみた
最後に、大丈夫だったかと問いかける優しい微笑みを見た
その微笑みが、今でも頭から離れない
バケモノなのに、自分でも怪物と言っているのに
私は、太陽を嫌いになれない
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