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「あー、楽しい」
「うふふ、ホントですねぇ」
「あ、もう3時過ぎちゃったね」
美紀さんはそう言って時計を確認した。
軽くランチのはずが、どっぷり宴会になってしまって。
「そろそろおいとましますか」
「だねー」
ここのお店は15時からドルチェの時間になって、また17時からディナーメニューに変わる。
「あぁ美味しかったですねぇ」
「明日でもう仕事納めかぁ」
「1年、早かったですね」
「来年は結婚だぁっ!」
「楽しみですね」
ワイワイ言いながらレジに向かい、婚約のお祝いにと割り勘を断っているとお店の人がレジに寄ってきた。
「あの…」
あーだ、こーだと財布を出して
ぎゃあぎゃあ言うところなんかはお互いあたしが、あたしが、と言って支払いをしようとするおば様達のようだったと思う。
「あ、あの、お会計はあちらのテーブルの折原様より頂いております」
「へ」
「は」
お互いを掴み合っているあたし達は同時に声をあげた。
「お兄ちゃんが??」
店員さんの示した方を向いてみると、さっき会った4人の男がまだなにやら楽しそうに雑談を続けていた。
「ラッキー」
「たまには役に立ちますねぇ」
あたし達は財布を鞄に仕舞って店員さんに御礼の言伝を頼んでお店を後にした。
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