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規則正しく配列された 腹筋からすぐ横 あたしを誘う一本の道 鍛えられた身体にこそ出来る 筋肉とその間の溝。 お気に入りの場所に 滑り落ちて 夢中で、飽きる事無く奉仕する。 くぐもった声と 深い呼吸があたしを刺激する いつも いつも考えていた どうしたらこのヒトを狂わせる事が出来るんだろう。 あたしがそうなる事はとても簡単で。 こうしてる間も 狂いそうになるのはあたしの方だった。 低い音と深い溜め息が耳に届くたび、あたしの狂喜はボルテージを増す。 堪能している筈なのに 逆の感覚が否めない。 狂おしい程の感情が溢れてくる。 壊したい 壊れてほしい 急に肩を捕まれて 眼の高さが同じになる所まで引っ張り上げられた。 なんて 表現すればいいのか? 濡れた瞳 濡れた唇 そして、濡れた声 「……オレをどうしたいの、蜜」 肩から頬へ 頬から首筋へ 首筋から背中へ 背中から腰へ 腰からゆっくりとスライドして 落ちてゆく。 「…ァ」 「蜜、どうしたいの?」 優しそうに響く音と それを放った唇は正反対で そのギャップがゾクリと背中を這った。
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