オレ様日記8

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二次会も誰一人欠ける事なく繰り広げられたのは、蜜の門出を祝ってやりたいという みんなの思いからか 親父も珍しくホロ酔いを通り越して リアルで酔っ払いだろ お袋はめっぽう酒に強く 親父はある程度で撃沈 オレも弱い方ではないが 限界は知っているつもりだった 「ミッツさぁん、若先生のどこがよかとですかぁ」 相変わらずの楓 確か福岡出身の彼女は、酔っ払うと方言も出てくるのか 「あー、それは私も聞きたいねぇ」 ……親父は黙っててくれ ついこの間 母親だとは言わなかったにせよ 何故か羞恥を誘う‘親’という存在に 思春期の若者達の反抗期の理由を垣間見たところだったのに また、ここでも 父親、という存在にそれを見ることになるのか そう思って また、烏龍茶を流し込んだ 「え、ど、どこでしょうか……」 引きつる笑いを携えて 伸ばした手にタンブラーを掴む蜜 クックッと腹を抱えて笑う大武 オレを宥める藤原さん おい、しっかり答えろよ また頭の中で檄を飛ばす ……こんな風景を今度はいつ見る事が出来るんだろうか、と ふと、思った 皆が笑っていて オレも満更ではなくて きっと、もう暫くはこんなに安心して 落ち着いて飲める日はねぇな こんなのも悪くない ま、オレは烏龍茶だけど
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