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「じゃあそれが終わったら2階でゆっくりとするんだよ。 あとは僕がやっておくから」 ここは1階が、薬屋。 2階が、お義父様・お義母様・友次郎さん・アタシの四人一家の生活空間となっている。 「そうですか。 ではお言葉に甘えてそうさせていただきます」 お互い、にこっと微笑みながら顔を見合わせる。 きっと友次郎さんも同じように幸せを感じてくれているのかと思うと心が温かくなった。 「ちょっと、勝手なことを言わないでちょうだい」 心を暖かくしていると奥から冷たい声が聞こえてくる。 「お義母様…」 「帳簿の整理はまだたくさんあるんじゃ。 例えお腹が大きかろうとできるであろう」 「…申し訳ありません」 頭を深々と下げて侘びる。 「友次郎も松枝を甘やかさぬように」 そう言って、お義母様はまた奥へと急がしそうに戻っていった。 「…ごめんな、松枝」 「いいえ。お義母様の言う通りですから。 アタシはまだまだ働ける身。 お腹に影響が出ない程度にやりますので気に病まないでください」 友次郎さんとの結婚。 お義母様はそれを良しとしなかった。 それも当然である。
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