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月日は巡り、5月。このクラスにも大分慣れてきたと自分でも思う。と言っても、相変わらず友達付き合いはいつものメンツだけど。あれだな……最初の俺の登場の仕方がまだ活きているらしい。
バカ野郎がぁぁ……って叫びながら扉を蹴り破って登場したら、そりゃ誰も寄ってこねーわな。それでも寄ってくる変わり者たち……泰史、出流、七海さん、悠美さん、たまにアニキ、と……サヤ。あとは、他のクラスの辰之助や優真。この二人はそこまで話すってわけじゃないけど。
「なあなあ、1組に留学生がいるらしいんだ。見に行かねーか?」
泰史が俺を誘ってきた。1組って辰之助たちのクラスか。留学生……外国の人かな。3組の生徒会長、斎藤レコさんにしろ1組の留学生にしろ、結構グローバルな学校なんだな……。
「いいけど、出流たちは?」
「興味無ぇってさ」
……俺も断りてぇ。でもそしたらコイツ一人で行くことになっちまうよな……さすがにそれは可哀想か……。
「もうすぐ授業が始まるから早めに済まそう。次は沢村先生の授業だしな」
「剣吉先生の授業なんてどうだっていいよ」
ニコニコしながら俺を先導し、1組へ。
「辰之助ー! ちょっと来いよ!」
1組の教室の入り口で泰史が辰之助を呼ぶ。それに気付いた辰之助はこちらへ。辰之助を通じて留学生を呼ぶ作戦か。しかしなぜか優真も付いてきた。
「波崎に泰史、君らもやろうぜ」
こっちの要件を話す前に、唐突に優真が何かに誘ってきた。あの……主語って知ってるか?
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