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いつの間にか寝てしまっていたらしい。 オレンジ色の日差しの中、私はぼんやりと瞳を開く。 「キミも大変だねぇ…」 此処がどこだか分からないくらいにぼんやりとしていた私は、苦笑を含んだ吉原先生の声を聞いて、保健室だと言う事を思い出した。 「リンが…また此処に来てると聞いて…」 軽く息を切らした勇人の声に、ホッと小さな吐息をこぼす。 「良くなったから戻ったって聞いて、教室に行ったけど居ないし、体育館に行っても居なくてっっ」 切羽詰まったような雰囲気に、ずっと探してくれてた事をぼんやりと悟る。 「ウーン…まぁ、取り敢えず落ち着きなさい。一応寝てる人も居る事だしね」 「っっ…それでリンは?!リンは今一体何処に居るんですかっ!」 此処に居る。 でもどうしてだろう。 こんなに興奮してる勇人に、私の居場所を教えて欲しく無い。 そうじゃ無いと、またどえらい目に合わされてしまいそうだと、過去の経験が私にビシバシと警鐘を鳴らす。 「フム。彼女の事が心配かい?」 吉原先生も私の居場所を即答せず、勇人の質問を楽しそうにはぐらかした。 「当たり前でしょうっっ…」 けれど勇人は、そんな吉原先生の態度が気に入らないのか、珍しく怒りに駆られている。
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