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その後、唯花と同じクラスであることを確認したあと。
「うー、入学式とかタルい!部活動勧誘会まで屋上でサボる!」
「ちょ、杏奈ちゃんまた?似たようなこと言って卒業式もサボってなかった?」
「えへ☆」
星が弾けるウインクで唯花に返してみる。
そうすると「もう、杏奈ちゃんったら。私知らないからねっ!」と体育館へ。
「うー!じゃあ屋上で昼寝でもしよーかなぁ!」
そのまま階段を昇って屋上に上がる。
「やっぱここは涼しいなぁ。」
あの新入生の熱気にいたら暑いもんなぁ・・・なーんて思いながら腰を下ろす。
風にあたり、いつの間にか眠ってしまっていた。
「杏奈。好きだよ。」
「うん、私も。大好き。」
「ねぇ、孝哉。浮気してるでしょ?」
「う、浮気?してないよ。」
「あたしみたんだから。綺麗な先輩と一緒に歩いてキスしてるとこ。」
「あ、あれは・・・!」
「触らないで。別れて。」
「え、杏奈・・・っ!」
「バイバイ、孝哉。」
「杏奈ちゃん!あのね・・・!」
「どうしたの唯花。」
「・・・孝哉くん、あの先輩に無理矢理キスされたんだってー・・・。」
「っ・・・!ゆ、夢・・・か。」
びっくりした。あのときの夢なんて久しぶりに見たな。
ちょっと汗が滲んでる。
「・・・吹っ切れてないのかな?あたし。」
・・・傷付けたことが、未だに気がかりで。
未練たらたら。
ふぅ、とため息をついたときだった。
「大丈夫っすか?」
聞き慣れない声がした。
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