新学期。

4/9
145人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
その後、唯花と同じクラスであることを確認したあと。 「うー、入学式とかタルい!部活動勧誘会まで屋上でサボる!」 「ちょ、杏奈ちゃんまた?似たようなこと言って卒業式もサボってなかった?」 「えへ☆」 星が弾けるウインクで唯花に返してみる。 そうすると「もう、杏奈ちゃんったら。私知らないからねっ!」と体育館へ。 「うー!じゃあ屋上で昼寝でもしよーかなぁ!」 そのまま階段を昇って屋上に上がる。 「やっぱここは涼しいなぁ。」 あの新入生の熱気にいたら暑いもんなぁ・・・なーんて思いながら腰を下ろす。 風にあたり、いつの間にか眠ってしまっていた。 「杏奈。好きだよ。」 「うん、私も。大好き。」 「ねぇ、孝哉。浮気してるでしょ?」 「う、浮気?してないよ。」 「あたしみたんだから。綺麗な先輩と一緒に歩いてキスしてるとこ。」 「あ、あれは・・・!」 「触らないで。別れて。」 「え、杏奈・・・っ!」 「バイバイ、孝哉。」 「杏奈ちゃん!あのね・・・!」 「どうしたの唯花。」 「・・・孝哉くん、あの先輩に無理矢理キスされたんだってー・・・。」 「っ・・・!ゆ、夢・・・か。」 びっくりした。あのときの夢なんて久しぶりに見たな。 ちょっと汗が滲んでる。 「・・・吹っ切れてないのかな?あたし。」 ・・・傷付けたことが、未だに気がかりで。 未練たらたら。 ふぅ、とため息をついたときだった。 「大丈夫っすか?」 聞き慣れない声がした。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!