MISSION 1-(1)

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手を握られただけで、 私の脈の速さも鼓動の強さも気づかれてしまいそう・・。 誰かと寝るだけで、こんなに緊張するのは、 初体験の時以来かも・・。 ツインも空いていたけども、選んだのはダブルの部屋。 柏木に手をつながれたまま、 部屋のカギを私が開けた。 かすかにフワっと香る、リラックス系のアロマの香り。 ドアがパタンと音を立てて閉まったとたん、 腕を軽く引き寄せられ、 私の体は柏木の腕に優しく包み込まれた。 「え・・」 いきなりのことで、鼓動が一気に跳ね上がる。 これから私がしようとしていた事だったのだけど、 まさかこんなタイミングで、 抱きしめられるとは思ってなかった。 抱きしめる腕の力は優しくて、振り払おうと思えば 簡単に振り払えてしまう。 きっと私が、少しでも抵抗すれば止めてしまうから・・ 私は柏木の腕の中で、ピクリとも動けなかった。 余計な脂肪のついていなそうな硬い胸に 顔をうずめた状態では、 柏木の表情をうかがい知ることができない・・。 「そんなに・・。淋しいんですか・・?」 耳元で囁かれた甘い声。 さっき私の言った『人肌が恋しい』って言葉を 信じきってくれてるんだよね・・。 少しだけ罪悪感が胸をよぎった。
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